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EMA事務局通信622

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EMA事務局通信622                                   2017/03/27

  ■□ 【 コ ラ ム 第 54 回 】

       ソーシャルメディア時代のメディア・リテラシー教育

           武蔵大学 社会学部 教授 / EMA理事 中橋 雄
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会員及び関係者各位

モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)事務局です。
平素は当機構の活動にご協力いただき誠にありがとうございます。

今回は、EMA理事である、武蔵大学 社会学部 教授 中橋 雄 先生に
ご執筆いただきました。

コラム第54回をお届けいたします。

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       ソーシャルメディア時代のメディア・リテラシー教育
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武蔵大学 社会学部 教授 / EMA理事
中橋 雄

近年、スマートフォンの普及は目覚ましく、人々の社会的な営み、
ライフスタイルや価値観を変化させている。また、それによって利
用が促進されることになったソーシャルメディアの普及によって、
新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど既存のマスメディアの有り様も大
きく変化している。現代社会においては、マスメディアに関してだ
けでなくソーシャルメディアに関するメディア・リテラシーが、大
人にも子どもにも求められている。

メディア・リテラシーという能力が、どのようなものであるかとい
うことについては、様々な立場のもとで語られてきた。私は、(1)
メディアの意味と特性を理解した上で、(2)受け手として情報を
読み解き、(3)送り手として情報を表現・発信するとともに、
(4)メディアのあり方を考え、行動していくことができる能力と
してメディア・リテラシーを捉えている。これは、能動的に社会に
関わり、その開発に貢献していくことができる社会的コミュニケー
ション能力としての側面を重視した定義だといえる。

ソーシャルメディアは、ユーザー同士の相互作用によってメディア
が生成される。運営者によるガイドラインはあるものの、利用者の
創意工夫によって様々な使い方がなされてきた。どのような使い方
が望ましいのか、どのような表現が望ましいのかということについ
ては、人それぞれ価値観が異なるため、答えがひとつに決まるもの
ではない。様々な立場があることを理解した上で、対話によってそ
のあり方を考えていくことが必要になる。

青少年のインターネット利用に関して、そうしたメディア・リテラ
シー教育の重要性が高まっているといえる。単にユーザーとして効
率よく情報を収集したり、発信したりするスキルを高めるだけでは
十分とは言えない。社会形成の担い手となる責任や社会の開発に貢
献する素晴らしさを実感できる教育実践が求められている。

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【中橋 雄(なかはし ゆう)プロフィール】
武蔵大学社会学部メディア社会学科教授。関西大学大学院総合情報
学研究科博士課程後期課程修了・博士(情報学)。株式会社博報堂、
福山大学、独立行政法人メディア教育開発センターに勤務した経歴
をもつ。放送倫理・番組向上機構(BPO)青少年委員会委員。専門分
野は、メディア・リテラシー論、教育の情報化に関する実践研究、
教育工学。主な著書『フィンランドの教育〜教育システム・教師・
学校・授業・メディア教育から読み解く』(共著・フォーラムA企
画・2016年)、『メディア・リテラシー論』(単著・北樹出版・2014
年)、『メディアプロデュースの世界』(編著・北樹出版・2013年)、
『映像メディアのつくり方』(共著・北大路書房・2008年)など。
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 ≪コラムについて≫
 「青少年のインターネット利用」をテーマに配信しております。
  EMA事務局通信をご購読いただいている皆様と、広範かつ深い知
  識・情報を共有することにより、さまざまな角度から「青少年の
  インターネット利用」について考えていきたいと思っております。

  コラムへのご意見・ご感想・ご要望等ございましたら、ぜひとも
  事務局までメールにてお寄せください。

    宛先:EMA事務局
    メールアドレス:jmkアットマークema.or.jp

  どうぞよろしくお願い申し上げます。

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