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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ EMA事務局通信643 2017/08/03 ■□ 【 コ ラ ム 第 56 回 】 安心ネット2.0が始まります 一般社団法人デジタル教科書教材協議会 専務理事/ 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授/ EMA理事 中村 伊知哉 □■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 会員及び関係者各位 モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)事務局です。 平素は当機構の活動にご協力いただき誠にありがとうございます。 今回は、EMA賛助会員・一般社団法人デジタル教科書教材協議会 専 務理事、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授、EMA理 事である 中村 伊知哉 先生にご執筆いただきました。 コラム第56回をお届けいたします。 ━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━ ◆◇◆ 安心ネット2.0が始まります ◆◇◆ ━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━ 一般社団法人デジタル教科書教材協議会 専務理事/ 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授/ EMA理事 中村 伊知哉 PCやインターネットが普及期に入る1995年。ベルギーで開かれた情 報通信G7サミットで「情報社会は子どもが主導する」という日本の 民間提案が採択されました。郵政省から参加した私はいたく同意し、 メディアと子どもの研究所をMITに設立するという、サミットの成果 として立ち上がったプロジェクトに役所を辞して参加しました。 米国では教育情報化は熱いテーマでした。2001年、MITで私たちのチ ームが提案した100ドルPCは、世界数百万人の子どもが使うほど発展 しました。が、当時同じ構想を日本政府に提案しても、けんもほろ ろ。温度差を痛感しました。 大人は判ってくれない。でも日本の子どもは最先端のケータイ使い であり、顔文字や写メなどコミュニケーションの領域を広げている ことに米国の研究者たちも注目していました。だからこそ問題も噴 出します。ネットやケータイの安全・安心を確保するため、EMAや安 心協が立ち上がり、産学官の連携で努力が払われました。安心ネッ ト1.0です。 私の心配は過度な規制でした。当時、首相が子どものケータイ所持 は「百害あって一利なし」と発言するなど、デジタル技術を使わせ ない圧力が高まりました。「百利あって一害あり」と考える私たち は、光と影の双方を踏まえた対策を主張していました。 するとデジタル教育の推進論が日本でも高まりました。旗を振るう ち、先ごろようやく学校での一人一台タブレットやデジタル教科書 の整備が政府の方針となりました。使わせない、から、使わないと 勉強ができない、という環境に移ります。 場面は転換しました。ケータイからスマホ・タブレットへ。使わな い、から使おう、へ。ネットリテラシーとデジタル教育とを一体に して、光と影をともに自ら「使いながら」学ぶ、安心ネット2.0が 始まります。「子どもが主導する」宣言から20年余。これまで以上 に幅広い関係者の連携と協力が必要です。 -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ 【中村 伊知哉 (なかむら いちや)プロフィール】 1961年生まれ。京都大学経済学部卒。慶應義塾大学で博士号取得 (政策・メディア)。 1984年 ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省 入省。通信・放送融合政策、インターネット政策を政府で最初に担 当するが、橋本行革で省庁再編に携わったのを最後に退官し渡米。 1998年 MITメディアラボ客員教授。 2002年 スタンフォード日本センター研究所長。2006年より慶應義 塾大学教授。 内閣府知的財産戦略本部委員会座長、内閣府クールジャパン戦略会 議、文化審議会著作権分科会小委などの委員を務める。CiP協議会 理事長、デジタルサイネージコンソーシアム理事長、映像配信高度 化機構理事長、超人スポーツ協会共同代表、デジタル教科書教材協 議会専務理事、吉本興業社外取締役、東京大学客員研究員などを兼 務。著書に『コンテンツと国家戦略』(角川Epub選書)、『中村伊 知哉の新世紀ITビジネス進化論』(ディスカバリートゥエンティワ ン)など多数。 Twitter @ichiyanakamura Facebook 中村 伊知哉 http://www.facebook.com/ichiya.nakamura -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ ≪コラムについて≫ 「青少年のインターネット利用」をテーマに配信しております。 EMA事務局通信をご購読いただいている皆様と、広範かつ深い知 識・情報を共有することにより、さまざまな角度から「青少年の インターネット利用」について考えていきたいと思っております。 コラムへのご意見・ご感想・ご要望等ございましたら、ぜひとも 事務局までメールにてお寄せください。 宛先:EMA事務局 メールアドレス:jmkアットマークema.or.jp どうぞよろしくお願い申し上げます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発信元/一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA) 〒106-0031 東京都港区西麻布1-4-38 千歳ビル3階 http://ema.mcf.or.jp/ http://ema.mcf.or.jp/m/ (携帯サイト) http://ema-edu.mcf.or.jp/ (啓発・教育ポータル) ◆事務局通信の登録及び解除は下記Webサイトからお願いします。 http://ema.mcf.or.jp/news/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |